人気No.1農家!食べると幸せになる野菜を作ります
愛媛県大洲市の畑を訪ねると、ひときわ楽しそうに野菜を育てる女性がいます。食べると幸せになる野菜を育てる、楽天農業株式会社の祖母井 美香(うばがい みか)さんです。農家さんの中で、いいね!数、コメント数でトップを走る人気ぶり。その秘密を探ってみました。
野菜づくりがこんなに面白いとは!
――――――人気No.1※農家になりましたね!(※2017年12月28日取材時点 Ragriにて)
びっくりしています。私の野菜を買ってくださるお客様ひとりひとりを、ちゃんと対応するという気持ちは誰よりも大切にしたいと思っています。
――――――いつも楽しそうですよね?
野菜づくりがこんなに面白いとは思いませんでした!こんな小さな種からいろんな形の野菜ができる。最初は同じような種でも、お水や肥料をあげて手をかけると、どんどん形を変えていく。お世話する中で、手のかけ方、愛情のかけ方一つで野菜の成長具合や味も変わってくるので、とても不思議でもあり面白いところです。
楽天農業株式会社の仲間とも、考えると不思議だね~、面白いね~って言いながら、畑のお世話をしています。私が幸せを感じながら育てているのだから、食べると幸せを感じられる野菜になるのは当たり前だと思っています。
仲間とキャリー(野菜を運ぶケース)を並べて、お弁当を食べるのも幸せな時間のひとつです。
契約栽培のお客さまから「こんなコメントきた!」とか、男の子たちは「俺の方が多いぞ!」とか盛り上がっています。コメント数やいいね!数をチェックして「祖母井さん抜けんな~」と言われたりもします。
お客様とのつながりもあって、野菜づくりが想像以上に楽しくなりました。
外でのびのび仕事がしたい
幼少の頃から子どもが大好きで、大学で幼児教育について学び、保育士という仕事に就きました。毎日、愛おしい子どもたちのキラキラしたパワーをもらい、元気いっぱい幸せいっぱいでした。
その後、化粧品会社で品質管理の仕事をしたのですが、「私は外でのびのび仕事してるほうが向いとるな」と保育士に戻ろうしたんです。そんな時、祖母の畑の後継者がいないという話が出ました。
祖母が作った農地を生かしていきたい!!
私は小さい頃から祖母が作る野菜を食べて育ってきたので、今まで一回も病気になることも怪我することもなく、元気に生活できてきたのです。
最初は野菜ではなく「花」を作って売ろうと考えました。でも愛媛県には花の農家が見つからなくて、祖母も野菜を作っていたし、まずは野菜をやってみようと思ったんですよ。
瓦が飛んだ!台風直撃2回
とにかく、今年の台風は大変でした。
今まで経験したことない威力で、家の瓦が飛びました。5枚飛んで、夜中は雨漏り。どうしようとあたふたしながら、朝になり、農地へ向かうと大変な状況でした。
私は四駆に乗ってるから、災害があると先に出動してみんなに状況をViberで連絡します。
「木が倒れてるけど右端なら安全に通れるよ」とか、「この道はダメだ、土砂が崩れてる」とか、「電線切れて落ちてるから踏まないでね」とか。
――――――ひとりで怖くないですか?
怖いですよ。みんな早くきてーー!ハウスもこんなにつぶれてて、農地のペットボトルが飛びちって、畝もはがされ…
風が強くて、ビニールが波を打ってバタバタバタバタ鳴っている中、ひとりでいるのは怖いです。
――――――その風の中、作業ですか?
そうです。もうボロボロ。心が折れそうになります。
台風の前に来るぞー!と準備はしたのですが、ペットボトルを強くさし直すことは控えたいのです。作物の根を傷つけてしまったり、外す時に土ごとぼこっと取れてしまえばおしまいです。
1回目の台風のあと、みんなで対策を練りながら復旧作業を行いました。ネットで全体を被せればいいか?でもこの広大な土地にどれだけネットが必要か?…そうこうしてるうちに2回目が来てしまい、また復旧。お客様にも作付けをお待ちいただかなくてはならず、本当につらかったです。
ボロボロのホウレンソウが復活!
――――――祖母井さんにお願いしたホウレンソウ、すごい復活劇でした。
そうとう不思議ですよね?
台風のあとの天気で、新しい葉っぱがぐわーーーっと成長して、あっという間にうわーーっとなって、みんなですごいね!!!ってびっくりしました。
ほんとに?って感じなんですが、サラダ菜とか柔らかいのも、色が綺麗なスイスチャードもダメになってしまったのもあったけど、生命力がすっごいな~。そして味は変わらず美味しいから、またびっくりです。
そういえば私が楽天農業株式会社に入社して、初めて食べたのがホウレンソウで、うわ!あまっ!こんなに甘いのができるんだ~!とびっくりしたことを思いだしました。
ノートにユーザーさんを全部メモりたい
自分で受けた依頼は、日付とユーザー名を全部ノートにつけて記入していたんですよ。だからまたこの名前がいらっしゃる!と思った時はすごく嬉しかったですね。
だんだん仕事の量が増えてきて、買ってくださる方も増えてきて、追いつかなくなってしまったんですが、本当は全部メモっておきたいんですよ。
――――――祖母井さんのノートはいつもかわいいですね♪
ありがとうございます!保育士っぽいですか?これは最初の頃ですが、今より丁寧かも。ユーザーさんの名前はノートの下のほうにまとめて書いていました。Ragriコネクトのページを毎日みています。ユーザーさんとは、日本全国に友達がいるじゃないですけど、つながっている感がすごくあります。
北海道のユーザーさんと「北海道ですか~私の大好きな場所なんですよ!」とか、コメントのやりとりをしたこともあって、ほんとすごいことになってるなと思います。これからさらにどう進化するんやろという期待がすごくありますね。
夢はオーガニックカフェ♪
いつか祖母の農地で作った野菜を使って、オーガニックカフェを開きたいです♪
カフェは高校の時から憧れがあって、ずっとしたいと思っていました。モーニングと簡単なランチがあって、シンプルなんだけどずっと居れるそこに、みたいな。だからコーヒーカップとかミルクピッチャーとか、食器を趣味で集めているんですよ。
休みの日は、山奥から草花をとってきて、フラワーアレンジメントをしたり、ドライフラワーにしたりとかして家に飾っています。
自分のやりたいことって、目の前のことをやっていれば関連づいてくるんですね。
オーガニックカフェを開いて、大好きな子どもたちに、安心安全な野菜を食べてもらって、日本の農業は素晴らしい、世界一!と言われるよう、農業の魅力も伝えていきたいです!
編集後記
祖母井さんとお話しすると、エネルギーチャージをしている気分になります。
畑では、鼻歌でも聞こえてきそうな軽やかな笑顔で農作業をされる一方、後輩の研修生が危なっかしい作業をすると即座に指導をしてみんなの安全を守る!という頼もしい姿もありました。
仲間やお客様、みんなをポジティブな気持ちにする太陽みたいな存在。それが祖母井さんの人気の秘密だと思います。(担当:Motty)
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。