家族経営で独立農家に!綺麗すぎる中岡さんの有機野菜&毎日幸せな農業ライフの秘密
2021年9月、家族経営で農業法人を立ち上げたどんぐりファーム株式会社の中岡昌和(なかおかまさかず)さん。綺麗な野菜で高い評判を受ける秘訣と、家族と過ごすストレスフリーな農業ライフを取材しました。
自然の中で働きたくて農家に転職、そして独立
――いつから農業を?
5年前に楽天農業(株)へ入社してから農業をしています。それまでは英語教室の先生を育てる仕事や、農協、ゴルフ場で働いていました。
ゴルフ場時代に「外で自然を感じて仕事がしたい」、そういえば「農協では苗しかなかったけど、最後まで育てたいな」と思いました。もともと親の手伝いで農業をしていたので親しみがあったのと、農薬を使わないで野菜を作ることに興味をもって、有機栽培のできる楽天農業(株)へ転職を決めました。
――楽天農業(株)時代は
約4年間、最初は愛媛県大洲市の農地へ配属になり、その後に伊予へ異動して係長として現場リーダーをしていました。
はじめて農薬なしで栽培に成功したときは感動しましたね。農薬を使う慣行農業と比べると、見栄えは難しいですが、楽天ファームの野菜は加工用も多いのでいいバランスだと思います。
現場リーダーとしては、ノルマではないけれど求められている目標を達成することに重点を置きました。ただ、メンバーは農業初心者や新卒入社など若い世代が多かったので、彼らに「野菜を作る楽しさ」を持ち続けてもらえるように、仕事だけど趣味のような感覚でがんばれる環境づくりも意識しましたね。
――独立農家の話がきた時、どうでしたか?
不安でしたが、独立するのはチャンスだと思いました。実はちょうどその時、仕事を変えようか考えていたので、タイミングも良かったです。ただそれまで、仕事=会社員だったので、独立するという頭はありませんでした。家族もいるので不安もありました。
独立に挑戦できたのは、楽天農業(株)の遠藤社長がお膳立てしてくれたからです。お金の面ではファンドの道を作ってくれて、資材に関しては立替、農地はレンタル、できあがった野菜をできるだけ高く買ってくれるなど、農業に集中できる環境を整えてくれました。独立して本当によかったです。
妻は熱中症を経て、おんぶして農業を
――独立に対し家族の反応はいかがですか?
妻は不安だったと思うけれど、独立の話をしたらすぐにOKして応援してくれました。その時はまだ育休中で休んでいたのですが、仕事を辞めて農業を一緒にやってくれることになりました。
――いい奥様ですね!実際に農作業はどうでした?
初日は熱中症になりかけてしまって大変でした。でもすぐに慣れて、息子をおんぶしながら農作業をしているので、めっちゃ筋肉がついたー!と言っています。
――すごい!そんな奥様と一緒に仕事するのはどうですか?
とっても気が楽です。以前は、会社のことを考える他に、同僚との人間関係など、農業以外のところに気を遣っていました。でも独立して、家族と過ごしているとそういう気疲れは全くないので、ストレスフリーですごく楽ですね。
――奥様とは相性がいいんですね!出会いは?
そうですね。ゴルフ場時代に出会ったキャディーさんで、可愛いな~と思って花火に誘ったのが5年前。それから2年後に結婚しました。
――素敵!出会えてよかったですね?
はい、本当によかったです。あとは家族のために、お金の心配はできるだけ解消できるようにしたいと思っています。今のところはそれなりに稼げているので大丈夫です。
独立して家族時間が充実!
――独立してよかったことは?
家族との時間が増えたことですね。子どもは毎日一緒に畑にいますから、ひたすら日焼けしています(笑)
あとは生活リズムが整ったのもいいですね。朝起きて、暗くなったら仕事が終わるというリズムが崩れないので、かなりストレスが減り充実しています。
――1日のスケジュールを教えてください。
夏場は4時起きで、5時に農地へ行き、収穫をして、12時には納品も終わっています。
今は、6時半に起きて朝食とか支度をして、8時半に農地へ行き、14時には納品が終わります。納品がない日は、15時~16時くらいまで農作業をしています。
いずれにしても早めに家へ帰れるので、ゴロンと休んで、子どもをお風呂に入れるなど、家族の時間を大切にできています。
綺麗な野菜ですね!の一言が嬉しい
――何を栽培しているのですか?
サラダ用のレタス、白菜、キャベツ、大根と、冷凍食品用のほうれん草、ブロッコリーです。
――中岡さんの野菜は品質が高いと評判ですね?
「綺麗な野菜ですね」と言われるのがやっぱり嬉しいです。サラダ工場や冷凍工場に納品するときは、歩留まり(ぶどまり)といって、原料の何割を商品化できたかということを気にしています。もし状態が悪いと、その部分を取り除かないといけないので、手間がかかり、廃棄処分も大変です。
だから野菜を納品にいって「綺麗なので歩留まりがよく、作業しやすいです!」「過去最高の歩留まりです!」と、評価の声を直接かけてもらえる環境は、とてもやりがいがあります。
――高品質の野菜を育てるコツは?
今の農地は、野菜が作りやすい状況にあると思っています。回転がそこまで多くないので土の地力が高いのですが、もし休まずに作っていたら痩せていくので、今後はそういうところも気にしていきたいです。
どんぐりファームを大規模農家にしたい
――どんぐりファーム株式会社いう社名の由来は?
響きですね。独立農家の会議で会社名を決めるように言われて、その場で「どんぐりファーム」とひらめきました。堅くなくて、すぐ覚えられそうな名前で、自然な感じがするのでいいな~と気に入っています。
――今後のどんぐりファーム(株)は?
オーガニック市場が活性化して、その中心で活躍していけるような大規模農家になっていきたいです。地域に名前の通った大規模農家で、私自身は農地には出ていないかもしれませんが、周りにも有機の農家さんが増えていて、日本全体に有機農業が浸透しているのが理想です。
やっぱり日本の消費者が求めているのは農薬を使わない野菜だと思います。日本もアメリカやヨーロッパのように、自然に優しく、体に優しいものに重点を置く文化がもっと広がって欲しいと思います。
一言でいうと「農業たのしいよ!」っていうのをみんなに伝えて、オーガニック農家を増やしていきたいです。
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- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
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