新卒で農業の道へ!20代若者が就農を選ぶ理由とホンネをリアル調査:農家デビュー白書2021

新卒で農業の道へ!20代若者が就農を選ぶ理由とホンネをリアル調査:農家デビュー白書2021
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最終更新日:2021.11.02 公開日:2021.04.30

農業を志す若者のリアルな本音を聞く農家デビュー白書。2021年も楽天農業株式会社の新卒9名に「大学を卒業して農業の道を志した理由」「これからの日本の農業はどうなる?」など質問を投げかけてみました。

目次

イマドキの若者と農業との関係

楽天農業株式会社

2021年も楽天農業株式会社には9名の新卒社員が入ってきました。スーツを着て、希望に満ちあふれたフレッシュな面々です。

農林水産省による国内新規就農者数の動向調査では、49歳以下の新規就農者数は、2014年以降4年連続で2万人を超える結果となっています。「若い人が農業をやりたがらない」時代はもう終わったのでしょうか?

農業の道を歩むことを選んだ20代の若者たちは、これまで何を考えて何を学び、何に今課題を感じているのか?その答えから、彼らと今の日本の農業との関係を探りたいと思います。

楽天農業株式会社の新卒2021

ーーこれまでどんなことを学んできた?

・農業による地域活性化・地方創生
・耕作放棄地問題
・アグロフォレストリー
・植物工場
・ソーラーシェアリング
・食用コオロギの生産
・竹害対策のための竹を利用した農業用ハウス など

今年入社した9名はみな4年制大学卒業者ですが、専攻は本当に多種多様。農学部はもちろん、地方創生や地域の抱える課題解決という社会学系ルートから楽天農業の取り組みに賛同して入社した人、植物工場やハウスのシステム・技術開発という工学系学部ルートから新しい農業のカタチを作り上げたくて入社した人、環境保全や持続可能な農業のありかたという環境系・生物系学部ルートからオーガニック農業に惹かれて入社した人など、バラエティー溢れる知識と好奇心を持った人々が、「農業」をキーワードに同じ会社に集まってきてくれました。

楽天農業株式会社の新卒2021

ーー日本の農業が抱える課題ってなに?

「農業従事者数の減少。そこには、新規就農を阻む壁がまだまだたくさんあるのだと思う」

「農業は『子供があこがれる職業』ではない。新規参入が難しいというイメージが定着しているから、農家数は減少するしかない状態になっている」

「参入障壁が高い。運よくスタートできたとしても、軌道にのるまで時間もお金もかかる。それなのに、収入は不安定なままで、なかなか改善されていない。」

「新規参入への障壁と、排他的な環境。運よく就農できたとしても、新規就農者が育ちにくい環境が定着してしまっている」

「既存の体制下における持続不可能性。」(人も技術も)

それぞれが色々な側面から農業を取り巻く環境を学んできたからこそ、「課題を解決したいのに、業界になかなか入れない」というジレンマを抱えているようです。彼らの存在は、新しい技術や考え方を柔軟に取り込める業界の風土を再構築し、日本の未来の農業を活性化してくれる希望だと感じます。

スター農家?社会起業家?みんなの夢ってなぁに?

楽天農業株式会社の新卒2021

―将来の自分をイメージしてみて!みんなの夢は?

「地元・愛媛県大洲市からオーガニックの素晴らしさを発信していく」

「10年後には独立!愛媛を元気にする農家になる」

「稼ぐ!」

「オーガニック山菜農家になる」

「農業はもちろん、自分の創意工夫で、どんどん新しい道を切り開いていける人になる」

「家庭を持って、安心して家族と暮らせる自分になる」

「自然と人が共生できる新しい農業のカタチを見つける」

「カンボジアで農業をする」

「より多くの人が『農業をやりたい』と思うように農業のイメージを塗り替える」

以上、みなさんともに「農業=ソーシャルグッドな職業」という感覚がとても印象的で、各々が「農業を選択した自分が貢献できること」をとても大切に考えているようです。

農業を選んだ若者たちのリアルなプライベートライフ

楽天農業株式会社の新卒2021

ところで、20代で農業を選ぶ若者ってどんな人だろう?と思い、興味津々でプライベートに切り込んでみました。

―趣味やハマっていることは?

1位:ドライブ
2位:ランニング
3位:キャンプ

インドア派よりもアウトドア派が圧倒的に多い結果に!
旅行、登山、グランピングなど、「自然の中へおでかけする系」と、フットサルやテニスなどの「スポーツ系」が目立ちました。
一方で、DISH//やSnow Manといったアイドルのおっかけや「休日はYouTubeをひたすら観る」など、まったり動画&音楽鑑賞という声もありました。

―よく使うアプリは?

1位:LINE
2位:YouTube
3位:Instagram

基本の連絡ツールはLINE一本で済ませている人がほとんどでした。次点はTwitterでしたが、InstagramやYouTube含め、自分からの発信ツールではなく、主に情報収集ツールとして使っているとのことで、各地の農家さんや農業に関する情報もSNSで見つけてくるそう・・・「なるほど」な答えですね。

他にも、音楽系アプリとゲームは標準装備で、「空いた時間はとりあえずスマホ」という習慣はみなさん共通なようです。

楽天農業株式会社の新卒2021

ーー実際に自分が食べる食材はどこで調達してる?

1位:スーパー
2位:コンビニ
3位:産直市

予想ではコンビニが1位だと思っていましたが、スーパーがTOPでした。
男女ともに自炊率が高く、学生時代からスーパーで食材を買って料理をしていたという人がほとんど!また農業の道へ進んだ彼ららしいと感じた答えは、やはり、産直市や農家直売所へ行く頻度の高さです。

他にも、「家族から野菜が送られてくる」や「知人からもらう」など、農家・農業との距離の近さが垣間見える答えもありました。

ーー最近、気になっていることは?

1位:東京オリンピック
2位:自分の夢・目標
3位:環境問題
ランク外:無人島サバイバル

タイムリーな東京オリンピック関連の話題が気になっているという答えがトップにランクイン。「東京オリンピックは開催するべきなのか?」「いつになったら海外に行けるのか?」という答えは、まさにコロナ禍ならではです。

また、「ガソリン自動車の販売禁止」や「気候変動と食糧難」など、地球環境とわたしたちの生活との関連性にアンテナを張っているなど、社会課題に対しての意識の高さが見えてきます。

2位の「自分の夢・目標」では、「自分はこれからどのように社会に貢献していく人材となっていくのか?」「人生の目標を何にするか?」といった自己実現に向けてどのように社会人生活を送っていくのかという部分にフォーカスした真剣な答えも多かったです。

無人島サバイバルという答えは、おもしろかったです。

採用担当者のホンネ

楽天農業株式会社の新卒2021

最後に採用担当者の田口瑞季へ、採用活動時の裏話と彼らに対する想いを聞いてみました。

ーー今回(21年新卒)の採用活動を通して感じたことは?

ほとんどの方がインターンシップに参加しており、「農業が好き!」という熱い気持ちを持った方が多いと感じています。インターンシップの際、農地での農業体験もあったのですが、その時のみなさんの一生懸命な姿がとても心に残っています。

ーー最近の就活生の特徴は?

今はコロナの影響で少し変わってきているかもしれませんが、最近の就活生は自分の目標やキャリアビジョンにあった会社に巡り会うために、国内にとどまらず海外へ出たり、色んな経験を積んでいる方が多いなと感じています。

ーー今の20代が農業に対して抱いているイメージは?

植物工場やシステムでの栽培管理など、今は『IT×農業』が進んでいます。
そのため以前のような『3K(キツい・汚い・危険)』というイメージは薄れてきていて、農業に関心を持つ若者が確実に増えてきていると思います。

楽天農業では有機農法をやっておりますので、植物工場等のイメージと現場は違う部分が多いかもしれませんが、農業の将来性に希望を感じて入社してくれた新入社員の方が多いので、これからもっと農業に魅力を感じる若者が増えていくと思っています。

ーーこれからの農業界で活躍する人材ってどんな人?

もちろん農業が好きな人は一番だと思いますが、農業だけにとどまらず、今の時代の情勢や動きを敏感に感じて、将来どうなっていきたいか、自分の目標やビジョンをしっかり描ける方が、今後の農業界で活躍する人材だと思います。

 

◆楽天農業株式会社で農家になりませんか
一緒に働くスタッフから有機栽培のノウハウを学ぶことができるので、安心して農家に就職ができます。栽培から加工、販売まで、農業の6次産業化が経験できる会社です。

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。

ライター情報

  • Noumusubi
  • 杉山 聡子

    楽天農業株式会社の管理部。愛媛県生まれ。愛媛→イギリス→東京と移り住み、地元へ戻ってきたUターン組。好きなものは、海と野菜。日本のオーガニック市場がもっと元気に、さらに拡大することを目指して日夜奔走中のフレクシタリアン。

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