地域に根差しながら耕す Farm to Table Vol.52
楽天農業のオーガニック野菜は、農場を感じる季節のお便り「Farm to Table」を添えてお届けしています。地球にもあなたにもやさしい野菜を。今回は2023年2月1日号の一部をご紹介します。
畑だより
楽天ファームは法人として経営していますが、農業をする上で会社自体で完結できるわけがなく、地域との関わりが欠かせません。今回は広島神石高原農場の地域と協働する様子を少しご紹介したいと思います。
水を使わせてもらう代わりに
2017年に開墾し始めた神石高原農場、今は5人体制で3.5ヘクタールの面積に年中いろんな有機野菜を栽培しています。
大規模とはまだ言えませんが、たとえどんなに広い畑をただで貸してくれるとしても、水がないと栽培はできません。湧き水を汲みに行くのも一つの手なんですが、水源が畑から遠かったら、効率も当然悪くなります。幸い、農場の近くには地域が管理しているため池がありますので、そこの水をいつも使わせていただいています。その代わりに、ため池近くの草刈りをします。去年は二回、今年は二回か三回ほど一緒にする予定です。
写真には見えないのですが、道路の左側が水を汲ませているため池です。この時の草刈りは一番やりにくい法面を任せられました。斜面が急なので、草刈り機を背負いながら落ちないように姿勢を保ち、怪我せずに草を徹底的に刈るのは相当きついです。体力に自信がある若いメンバーでも、秋は1時間、夏なら半日くらいかかりましたので、今までここの草刈りが高齢の方がしてきたと考えると、ちょっと冷や汗がでますよね。
若者は地元で農業するという夢を見るか
お金を出したら何でも引き換えるようになった現代社会で、汗を流して地域と関わっていくことは、きっとそれ以上の意味を持っていると思わせてくれた出来事がありました。
昨年11月頃に、「地域の農業に関係する企業を見学」という趣旨の活動で、神石高原中学校の学生が農場に見学しに来てくれました。ちょうどブロッコリーの収穫時期でしたので、収穫作業を少し体験してもらいました。ブロッコリーの葉は学生たちの身長の半分くらいまで成長していますので、きっと大変だったと思います。
体験が終わった後、なんと地元の方がやっているキッチンカーが畑の隣まで来て、クレープとピザを試食させてくれました。ブロッコリーの畑のすぐ隣に若い者の群れがクレープを食べるのは、なんかシュールな光景ですよね。でもこれからは農業をする人が増えて、地域に暮らす人もどんどん増えて、いつかは原宿でクレープを食べるのと同じく、「畑の隣でクレープを食べるくらい普通でしょ」という未来になって欲しいと、密やかに思っています。
神石農場に所属している廣保貴也さんは実は神石高原町の広島県立油木高等学校出身です。地元の後輩たちの前で、楽天農業に就職した理由、農場での仕事内容や将来の夢を話してもらいました。もちろんクレープを食べながらではなく、真面目に。
見学に来てくれた学生さんたちは、有機農業にどんなイメージを持つようになって、地域の未来についてどういう想像をしたのかな?もしその中で一人だけでも、「地元で有機農業をやる!」という夢ができていればうれしいですね。
楽天ファームも、夢を見せられるような存在、そしてその夢を支えるプラットフォームになるために、有機農業の輪を一歩ずつ着実に広げていきたいと思います。
契約農家「南光農園」鹿児島県鹿屋市
鹿児島県鹿屋市
南光農園
さつまいもの本場、鹿児島県の鹿屋市にある南光農園では、さつまいもの中でも特に甘みの強い「紅はるか」を収穫後、独自の製法にて熟成させたオリジナルブランド「紅ひめぎ」を育てています。農薬の使用量を削減し、遺伝子組み換え技術も使わず、有機物をたっぷりと土の中に入れて微生物を増やすことで、水はけの良いふかふかの土壌が出来、「紅ひめぎ」が元気に育ちます。
焼き芋で糖度60度以上になることも⁉
「紅ひめぎ」は、秋に収穫した後2か月以上かけて熟成させることで、ねっとり・なめらか・クリーミーな食感をより豊かにしています。また、高い糖度の中でも特に麦芽糖が占める割合が多い傾向にあると言われ、強い甘みを感じるのに後味はすっきり。熟成することにより、この特徴も一段と際立ちます。ストーブの上で焼き芋にした際には、糖度が60度を超えたこともあるほどです!
「芋」 知識
焼き芋の別称十三里(じゅうさんり)の由来を知っていますか?
江戸幕府8代将軍徳川吉宗の頃に、サツマイモの栽培が全国に広まり、今の埼玉県川越市あたりは高品質なサツマイモの産地として知られています。川越市は江戸から十三里あったので、ここから来る焼き芋屋のことを「十三里」と呼ばれていました。それにひっかけて、焼き芋屋も「栗(九里)より(四里)うまい十三里(9+4=13)」とふれて売っていたそうです!
林さんイチオシの食べ方
湿らせたキッチンペーパーで紅ひめぎを包みこみ、ラップをしてレンジでチンした後にオーブンやトースターでこんがり焼き色をつければ、香ばしさアップのお手軽焼き芋をお楽しみ頂けます!
STAFF's PICKS「食べ過ぎてしまう生くるみ」
お菓子作りが趣味の同僚は先月、生くるみを買ってくれました。
彼女はそれを使って、スイスの伝統お菓子“エンガディナー”や、ドライフルーツと一緒に生地に入れた“セミハードパン”、“くるみあんぱん”など……いろんな種類のお菓子を作って、「オーブンでローストしてから使うと、生の時より香ばしく感じます。でも生で食べてもえぐみが少なくて美味しい!」と熱弁。
これだったら普段食べない人にもうけるんじゃないか?と思い、ナッツ類が大の苦手の同期に「食べてみて」と少し強引に勧めました。少し戸惑った顔をしながら一粒を口に入れたら「これならいける…」と、あっという間に半分以上もパクパクと食べてしまいました。「くるみは一日30gくらいまでだよ!」と慌てて伝えたら、彼は「そっか…」と、なんとも名残惜しそうな感じで手放しました。
やはり、くるみを避けてきた人でも食べ過ぎてしまうほどの美味しさです。
次回はどんな人からのメッセージがあなたのもとに届くのか、お楽しみに!
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- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
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