美味しい感動届けるさくらんぼ!「本物の味」にこだわる紅いルビーは満天の星々と共に煌めく

美味しい感動届けるさくらんぼ!「本物の味」にこだわる紅いルビーは満天の星々と共に煌めく
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最終更新日:2024.04.23 公開日:2023.04.04

「星の降る里」こと北海道芦別市でさくらんぼ園を営むのは、大橋さくらんぼ園の大橋正数(おおはしまさかず)さん。今回はスタッフの小島寛子(こじまひろこ)さんと一緒に、「本物の味」への熱意を伺いました。

目次

侮るなかれ、北海道の完熟さくらんぼ

侮るなかれ、北海道の完熟さくらんぼ

――「北海道=さくらんぼ」のイメージがあまりなかったです
大橋さん:
日本国内のさくらんぼ生産量の4分の3は、山形県産が占めているので、「さくらんぼといえば山形」と思われる方が多いと思います。でも、北海道のさくらんぼも負けていませんよ。
私で三代目になる大橋さくらんぼ園では、現在約60種類、約1,300本のさくらんぼを栽培しています。

 ――さくらんぼってそんなにたくさんの品種があるのですね!
当園には、「佐藤錦」や「紅秀峰」といった人気品種や高級品種はもちろん、北海道芦別市のオリジナル品種「平和錦(へいわにしき)」や、大橋さくらんぼ園オリジナル品種の「勝錦(ほまれにしき)」など、他ではなかなかお目にかかれないようなさくらんぼもあります。
60種類も作っている農家さんは他にはいないと思います。栽培品種の多さは日本最大級なんじゃないかな?

「北海道のさくらんぼ」が山形県など他産地と異なる部分

――「北海道のさくらんぼ」が山形県など他産地と異なる部分はありますか?
大橋さん:
一番の違いは、収穫時期が異なることです。
例えば、人気のある「佐藤錦」だと、山形県産が6月中旬頃に旬を迎えるのに対し、大橋さくらんぼ園の位置する北海道では、7月に旬を迎えます。だから、旬のさくらんぼをお中元に選んでいただくのにもぴったりだと思います。

また、収穫まで時間がかかる分、完熟に到達するまで樹上に長くおいておくことができ、糖度が高くなりやすいのも特徴の一つです。
あとは、大粒品種の「南陽(なんよう)」や黄色いさくらんぼの「月山錦(がっさんにしき)」といった、山形県では栽培が難しいけれど、北海道では栽培しやすいといったさくらんぼもありますね。
シーズン中には、それらのさくらんぼの食べ比べが楽しめるさくらんぼ狩りも実施しています。

北海道から届ける”スペシャル”フルーツ

北海道から届ける”スペシャル”フルーツ

――さくらんぼの他にも様々な果物を作られているんですね?
大橋さん:
さくらんぼの他、プラムやプルーン、果物を使った加工品も作っています。
今回楽天ファームでは、さくらんぼは「佐藤錦」「紅秀峰」「冷凍さくらんぼ」、「ジョーク」というプルーン、「紅香(べにか)のしずく」というプラムを販売します。

佐藤錦

――それぞれの特徴を教えてください

佐藤錦
発送時期:7月上旬~下旬頃

「佐藤錦が最高!」という人も多い、全国的にも知られた品種です。

酸味と甘みのバランスが絶妙で、大橋さくらんぼ園のお客様も「やっぱり佐藤錦は美味しい」と言う人が多い、安定した人気を誇るさくらんぼです。

紅秀峰

紅秀峰
発送時期:7月中旬~下旬頃

佐藤錦より糖度が上がりやすく、濃厚な味わいのさくらんぼ界期待の品種です。
また佐藤錦より大粒になりやすく、実が硬めなのも特徴。赤黒く色づく品種なので、見た目に驚かれるお客様も多いですが、濃い色づきが「美味しい」証拠なんです。

 ――ぜひ食べ比べてみたい!おすすめはどちらですか?
小島さん:
好きな方を聞かれたら、私は「紅秀峰」の一点張りですね(笑)。
見た目にひるまず佐藤錦と食べ比べていただくと「あ~!美味しいじゃん、紅秀峰!」と思ってもらえると思いますよ。
加えて、今回ご用意する中でも「スペシャル」ランク、選りすぐりのさくらんぼたちがおすすめです。

スペシャル大橋さくらんぼ園

――「スペシャル」とは何ですか?
大橋さん:
大橋さくらんぼ園で収穫できるさくらんぼの内たった5%ほどしか収穫できない、「糖度」「大きさ」「見た目」が特に優れている高品質のさくらんぼです。

小島さん:
例えば、佐藤錦は糖度19度以上でLサイズ以上、紅秀峰は糖度21度以上で2Lサイズ以上と、品種ごとに最適な基準を定めています。
市場だと「優」「秀」といった等級が使われますが、当園の「スペシャル」は秀より上の「特秀」に当てはまりますね。
そのさくらんぼを、一粒ずつグラシンカップに入れ、仕切りの付いた特製ケースに詰め、発泡スチロール箱で発送するのですが、さくらんぼと容器の間には和紙と緩衝材(ウレタンスポンジ)をはさみ、箱の外側には段ボールを当てて、輸送中の衝撃から守る工夫を徹底しています。

移住していちご農業

――梱包・発送方法も異なると?
大橋さん:
そうですね。
「バラ詰め(容器や箱にさくらんぼをばらばらに詰める方法)」のさくらんぼだと、振動で実同士がぶつかり合い、実が柔らかくなってしまったり、変色してしまったりすることもあるのですが、当園の「スペシャル」さくらんぼの発送では、配送時の事故はめったに起きたことがないです。
見た目と味のどちらもこだわりたい方、ご贈答用に確かな品質のものを選びたい方におすすめですよ。

小島さん:
大橋さくらんぼ園に入社して、さくらんぼを食べた時、「さくらんぼってこんなに美味しかったっけ!?」とショックを受けたのを覚えています。
味、弾力、ジューシーさ…どれをとってもスーパーで買うものと全然違うんです。
例えば、スーパーで販売するさくらんぼだと市場を通すので、かなり硬めの未熟なさくらんぼを選んで収穫すると思うんですよね。
大橋さくらんぼ園のモットーは「完熟するまで木においておく」なので、実際に食べてもらえたら違いは分かってもらえると思います。間違いないです。

――プラム「紅香のしずく」、プルーン「ジョーク」は聞きなじみがあまりないです
大橋さん:
確かに、あまり作られてはいない品種かもしれないですね。
実を多く実らせないように調整すること、枝に養分を充満させるような樹形の設計を心がけて作っています。

紅香のしずくプラム

紅香のしずく
赤みがかった果肉と、比較的硬めの食感が特徴のプラムです。
プラムの中では、旬を迎えるのが遅めの品種で、その分実がゆっくりと熟していくので濃厚な味になります。

一般的なプラムは、置いておくと果肉が柔らかくなり、それが美味しい状態なのですが、紅香のしずくは果肉が硬いうちでも甘くて美味しいんですよ。園主の僕がとても好きなプラムです。

ジョーク プルーン

ジョーク
大橋さくらんぼ園のプルーンで一番人気の品種です。
「プルーンがこんなに美味しいなんて感激です」というお客様がいらっしゃったり、このプルーン目当てで一週間のうちに何度も園に通われるお客様がいらっしゃったりするほど、厚い支持を誇っています。

入社当時は「さくらんぼ最高!」だった当園のスタッフも、プルーンを作り始めてからは。さくらんぼよりプルーンが大好きだなんて声も…(笑)。
プルーンと聞くと「ドライプルーン」を想像される方が多いかと思いますが、“生”のフレッシュなプルーンも美味しいですよ。

冷凍さくらんぼ誕生秘話

冷凍さくらんぼ誕生秘話

――「冷凍さくらんぼ」ってあるようでなかった!という気がします
大橋さん:
凍らせると、完熟の甘いさくらんぼがシャーベットのような食感になって美味しいんです。
様々な味わいを楽しんでもらえるよう、佐藤錦や紅秀峰など3~5品種の赤玉さくらんぼをミックスしています。

今年で85歳になるスタッフがいるのですが、数年前、彼女に「これ(さくらんぼ)冷凍したら美味しいわぁ」と言われたのが商品化のきっかけなんですよ。

――スタッフの方のアイデアなんですね?
大橋さん:
はい。でも、さくらんぼを冷凍すると聞いたときは、そんなものが美味しいなんてありえないと思っていました。
というのも、子どもの頃、僕自身冷凍さくらんぼを食べたことがあり、それが全然美味しくなかった記憶があったんです。

当時はハウス栽培ではなかったので、雨が降るとさくらんぼの実が割れてだめになってしまうということがよくありました。そこで僕の親は、もったいないからと割れたさくらんぼを冷凍していたんですよ。

そういった思い出もあり、「美味しい」なんてにわかに信じられなかったんです。でも、試しに作って食べてみるとこれが美味しい!
よくよく思い出してみると、僕が子どもの頃に食べた冷凍さくらんぼは、まだ熟していない状態の実を凍らせていたんですよね。完熟のさくらんぼを凍らせたものとは味が全然違うということが分かり、商品化に至りました。大橋さくらんぼ園の「冷凍さくらんぼ」が誕生したのはスタッフの一言のおかげですね。

平飼い養鶏のこだわり ヒナ

――冷凍さくらんぼのおすすめの食べ方はありますか?
大橋さん:
冷凍庫から出したばかりのカチカチに凍った状態だと、あまり甘みを感じられないので、ほんの少し常温に置いて溶かしてから召し上がるのがおすすめです。

さくらんぼの表面にうっすら霜がついてきたら食べ頃の合図です。
ただ、完全に溶かしてしまうと変色してしまうので、気をつけてくださいね。

土づくり40年、音楽聞かせて30年

大橋さくらんぼ園

――栽培のこだわりを教えてください。
大橋さん:
なにより『木が健康でなければ!』と、大橋さくらんぼ園では考えています。
質の良い果物は健康な木から生まれ、健康な木は元気な活きた土から生まれるという土づくりへの想いから、化学肥料は一切使用せず、堆肥と有機肥料を使った土づくりを40年以上続けてきました。
それ以前は、化学肥料や強い農薬を使っていたのですが、徐々に作物が育たなくなったんです。それがきっかけで、有機栽培といった様々な農業技術を勉強するようになりました。

どのような樹木も、根から養分だけでなく酸素も吸収しています。
つまり、酸素が土中になければ、その木は病弱になってしまいます。同様に土中にいる微生物も、酸素がなければ活発に活動してくれません。
堆肥を使った土づくりは、土中の微生物の数を増やし、微生物は団粒構造を生みます。団粒構造により土の柔らかさ、空気の層が保たれ、木が健やかに育ってくれるんです。
また、当園では車で畑の中を移動する際、地面をできるだけ固めないように、車の通る列と通らない列を作っています。
活きた土と天然由来の肥料により健康的に育った木には、風味の良い安全安心なさくらんぼが実る。そう信じて土づくりへのこだわりを一貫してきました。

あとは、美味しい果物が実るように、毎日音楽を聞かせていますね。

木に音楽

――木に音楽をですか!?
大橋さん:
植物も私たちと同じ生き物なので、音楽を聞かせることで生育や味が変わってくるんですよ。
昔勉強した書物の中に、穏やかな音楽を聞かせると植物の生育が良くなったり、味も良くなったりするという試験結果が載っていたんです。それを機に、園内のおよそ10か所にスピーカーを設置し、もう30年以上は果樹たちにクラシック音楽を聞かせています。

――「安全安心」のための工夫はありますか?
大橋さん:
土づくりの他、病害虫の発生を極力抑えるような工夫を行っています。

一つは「草刈りの徹底」です。
地面の風通しを常に良くすることで、病気の発生を防ぎ、害虫を寄せ付けないように努めています。

二つ目は「雨除けハウスをかけ、漏れがないかチェックする」ことです。
さくらんぼはとてもデリケートな果物で、雨が当たると実の表面の細胞が裂けてしまいます。
割けた部分から発される匂いで虫が増えてしまうため、さくらんぼに雨が当たらないよう、雨漏りのチェックは欠かせません。

三つ目は「シルバーシートを敷く」ことです。
虫も病気も明るいところが苦手なため、シーズン中は光を反射するシルバーシートを地面に敷いています。

農薬の使用量を抑えようとすると、農薬を使用すれば必要がなくなるような手間がかかってしまいます。
それでも、お客様に安心して美味しい果物を召し上がっていただけるように、スタッフ一同丁寧な作業を心がけています。

道内初!農林水産大臣賞受賞

道内初!農林水産大臣賞受賞

――スタッフはベテランの方が多いのですか?
大橋さん:
春から夏にかけて、さくらんぼの収穫シーズンだけ来てくださる方たちがいらっしゃるのですが、一番ご高齢の方で今年85歳になる方がいらっしゃいます。
収穫担当で78歳の方もいらっしゃいますね。
「今年でもう終わりだからね!」なんて毎年のように仰いますけど、なんやかんや毎年来てくださっています。さくらんぼの収穫は楽しいみたいですね。

小島さん:
来ていただいて、20~30年になります。
娘さんと親子で来ていただいているのですが、すごくパワフルな方たちなんですよね。お休みの日は、なんだか静かで寂しく感じてしまうほどです。
本当に和気あいあいとしていて、スタッフからは「社長と愉快な仲間たち」なんじゃない?という会話が出るくらいです。

農林水産大臣賞

大橋さん:
2006年3月には、生産技術・経営ともに優れた果樹農家を讃える『第7回全国果樹技術・経営コンクール』で、北海道としては初めての『農林水産大臣賞』という最高賞を受賞しました。

――道内初!最高賞とはすごいですね
大橋さん:
さくらんぼに対する熱意や、お客様を最優先で考える姿勢、取組が評価されました。
大橋さくらんぼ園では、「笑顔を作る」「思い出を作る」「感動を作る」「人を作る」という4つの理念のもと、お客様に“本物の味”を届けるべく、スタッフ同士助け合いながらフルーツ作りに日々取り組んでいます。

「満足する」はずっと先で

大橋さんは「現状で満足しない」

――大橋さんは「現状で満足しない」ことを心がけていると伺いました
大橋さん:
満足できる状態になっていないから、満足しないんですよ。日々満足できないことだらけです。
さくらんぼの栽培においても、接客においても、常に「こうした方がさくらんぼの実が美味しくなるんじゃないか」「こういう風に接客した方がよりお客様に満足していただけるんじゃないか」といったことは、最優先事項として皆に話すようにしています。

小島さん:
社長、忙しすぎて何でも忘れちゃうところがあるんですよ。
そんな時、スタッフが社長をフォローしたり、逆に社長にフォローしてもらったり…お互いに意見し合えるチームワークの良さが大橋さくらんぼ園にはあるのかなと思います。

社長に熱い想いがあるのはもちろん、スタッフも「より良くしたい」という想いが強いので、相乗効果を生んでいるんじゃないかなと思いますね。

大橋さん:
強みでもあり、弱みでもあるね(笑)。

小島さん:
確かに、何十年にわたって来てもらっているベテランの収穫担当のスタッフとはいつも喧嘩していますよね?お互いさくらんぼに対する想いが強いこともあって、意見のぶつかり合いがよくあるんです。

大橋さん:
昔はありましたね。

小島さん:
昔?今もでしょ(笑)!

大橋さんは「現状で満足しない」

――どんな瞬間が一番嬉しいですか?
大橋さん:
お客様に喜んでいただけることが何より嬉しいです。
シーズン中園内を歩いているとき、さくらんぼ狩りのお客様が「こんなに美味しいなんて思っていなかった!」と驚かれる様子なんかを見ると本当に嬉しい。

本州から毎週のように飛行機で当園に通われるという方もいらっしゃいました。大橋さくらんぼ園でのさくらんぼ狩りのためだけに来られていたんです。
毎年当園でのさくらんぼ狩りをメインに北海道に来られる、海外からのお客様もいらっしゃいましたね。

――国内だけでなく、海外にもファンがいらっしゃるんですね!
大橋さん:
遠くから来られるお客様を見ると、嬉しく感謝の気持ちがわきます。

完熟で収穫された果物は本当に美味しいです。
でも、本当に美味しい完熟の果物は一歩間違えれば傷みやすいということになります。
完熟出荷は難しいけれど、一番美味しいタイミングの“本物の味”をお客様に届けたい。そのような想いで、土づくりから発送作業まで熱意と真心をもって取り組んでいます。

大橋さくらんぼ園の果物を食べて、笑顔を、感動を、思い出を作っていただきたい。そして、「もう一度食べたい」と思っていただけたら嬉しいです。

◎大橋さくらんぼ園のさくらんぼは楽天ファーム楽天市場店でご購入いただけます

編集後記

大橋社長と小島さんの漫才のようなやり取りから、普段の大橋さくらんぼ園の明るい雰囲気、社長とスタッフの皆様の仲の良さが伝わる取材時間でした。「仲が良くて素敵ですね」と伝えると「てんやわんやなだけです(笑)」との返答。また笑ってしまいました。
北海道さくらんぼの王様と言われる「南陽」、黄色いさくらんぼの女王「月山錦」、北海道芦別市オリジナル「平和錦」、農園オリジナル「勝錦」…初夏の北海道旅で食べ比べせねば!
芦別市は“星の降る里”と呼ばれるほど、夜間は満天の星空が眺められるそう。来る日の天体観測とさくらんぼ観測を誓いました。

  • この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
  • 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
  • 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。
CATEGORY :農家さん

ライター情報

  • Noumusubi
  • 額見奈央

    楽天農業株式会社の2020年新入社員。石川県生まれ、奈良で学生時代を過ごして、愛媛にやってきました。「人にも環境にも優しく、人のつながりが生まれ続いていく」そんな地域に根差した農業を目指しています♪女子大出身・農業未経験女子だって農業ができることを発信していきます。

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