本当に甘くないから 農業は Farm to Table Vol.59
楽天農業のオーガニック野菜は、農場を感じる季節のお便り「Farm to Table」を添えてお届けしています。地球にもあなたにもやさしい野菜を。今回は2023年9月1日号の一部をご紹介します。
畑だより
長坂知洋さんに、久しぶりに会いました。2021年に楽天農業が始まった“インキュベーション”という独立支援プログラムのもとで独立農家になって以来です。
物づくりが好きで、自動車部品工場で働いていましたが、子供が生まれてから食に関心を持つようになり、妻の実家愛媛県で農業関連の仕事探していたら、「面白い会社があるから応募してみよう」と、2017年に楽天農業の前身“テレファーム”で農業に携わる人生が始まった長坂さん。独立農家になって3年目の今、そのリアルな現状と心境を聞きました。
──独立農家になる理由を教えてください。
もともと独立を目指して会社に入ってたし、二年前に独立支援の仕組が出来たから、もういいチャンスかなと。
あとは、やっぱりみんな農業や作業に対する考え方が違うから、同じ立場や立ち位置でやるのが難しかった。「ここまでやりたい」と思っても、他の人は「なんでよ」、「もういいじゃん」みたいな。結局どっかに合わせないといけない。それはストレスになったりしたね。
──楽天農業で学んだノウハウで外で独立する手もあると思いますが、楽天農業で独立してよかったのはどんなところですか?
できた野菜をほぼ全量買い取ってもらえるのが一番大きいですね。ダメなやつは出荷しないけど、大きさや見た目などの規格で普通は弾かれるいわゆる“規格外野菜”でも、楽天農業はサラダと冷凍食品の加工に使うから買い取ってもらえている。その点はすごく恵まれてるんだなと思う。
金銭面的には、資材が立て替えてもらったり、トラクターとかの機械も借りられたりとか。自分で買ったら高いけど、楽天農業は自社と他の独立農家が使う分も一括で買うから安くできる。
栽培の部分でも、今は畑の土質によって違う作物を植えているけど、それはもう楽天農業時代からずっとこのエリアでやってたから、土の状態も虫の出方も分かるし、野菜の状態をずっと見てきたからこそできたと思う。今使っている堆肥も、この畑のすぐそばの牧場で買わせてもらってるんだね。
──独立してから、生活上何か変化ありました?
休みがない!全然取れない(笑)家族との時間が減ったね。野菜に合わせてのスケージュール組まないといけないから、作業が遅れちゃったら朝早く畑に行かないといけないし、夜遅くまでやらないといけないし、決まった時間に畑に行くっていうのはなくなったかな。でもやっぱ野菜の状況に合わせて動かないと、ダメなんだよね。楽天農業で独立して最初から割と順調に行けている人は、毎日野菜の面倒を細かく見てる。自分のしていることはそのまま収入に直結しちゃうから。
もっとも大変だったのは、最初はどう頑張っても成果に繋がらなくて、メンタルがやられそうな時。野菜できない、収入全然ない、でも家族いる…。そこのね、プレッシャーというか申し訳なさで、何度も諦めたかったんだね。
──その辛い時期を、どうやって乗り越えたんですか?
どうやって…自分はやっぱり農業やりたい、独立でやりたいという思いがあったから、そんなすぐすぐ投げ出すわけにもいかないなっていう。それだったら初めからやらないほうがいいし。そういう精神力やっぱりもともとないと。
──独立三年目の農家として、農業にちょっと興味があるかも…という人に、何か伝えたいことありますか?
自分がどれくらいの面積の農地やりたくて、どれくらいの収入を得たいか、っていうのをちゃんと考えたほうがいいね。そこを目指すために、どれくらいの作業が必要なのかっていうところまで考えないと。そんなに簡単に野菜ができるもんじゃない。本当は甘くないから農業は。だからお金もめっちゃ大事だし。貯金がないと、野菜が出来なかったら、もうね、無収入がずっと続くんだからね。補助金は受けられるものは絶対受けたほうがいい。
いろいろ大変だけど、うまく行かなくてもすぐ投げ出しちゃうんじゃなくて、我慢強くやること。
取材当時は7月下旬でした。「お盆前、四年ぶりに愛知の実家にやっと帰れるんだ」「お盆じゃないですか?」「次作の作業が始まっちゃうからね」と、始終淡々と語りました。「本当に甘くないんだよね、v独立って」みたいな言葉は取材中よく出てきましたけど、それでもやめない、だからこそやめられないという強い意志を、長坂さんから感じました。
契約農家「たにがみ農園」鳥取県佐治町
鳥取県佐治町
たにがみ農園
星空輝く「星取県※ 佐治町」で作られる絶品梨
※全国星空継続観察で1位になったことのある唯一の県庁所在地鳥取市を擁することから。
ジューシーでみずみずしい味わいの秘密
水と星がきれいな町『鳥取県佐治町』で梨の栽培をしています。豊富に湧き出た水を使用し、全国星空環境調査で日本一の星空に選ばれる程澄んだ空気の中栽培しているため、ジューシーでみずみずしく味わい深い梨が出来上がります。
たにがみ農園の谷上雄亮さんは、ご両親とともに60年以上の歴史ある農園で多くの人に美味しい梨を届ける為に、日々変わる梨の表情を観察しながら梨づくりに励んでいます。
人と環境にやさしい農業を実践しています
病害虫の発生条件をしっかり理解して対応することで、自然環境に大きく影響すると言われているネオニコチノイド系の殺虫剤の使用を避けた農薬削減栽培をしています。
また長期的に多くの有機物を使った土づくりをすることで、梨のおいしさと収穫量を両立しています。2022年には農林水産業を営み、経営が特に優秀であると評価され『鳥取県優秀経営農林水産業者』を受賞されました。
STAFF's PICKS「くせになる、ひと味違うクラフトコーラ」
キャップを開けた瞬間、上品なシナモンの香りがふんわりと漂いました。
この香り、本当にコーラ…?とまで疑ってしまうほど…。少し口にすると、シナモン、ナツメグ、クローブ、カルダモン、ブラックペッパーといった有機スパイスのバランスが絶妙で、馴染み深いコーラにはない個性的な味わいが広がります。ただ主張が強すぎず、甘さも控えめ。暑さで疲れが溜まった体にはまさに心地よい一息。
レモン汁をほんのり足すと、さらに爽快に。
危険なくらい蒸し暑い日々が続く中、ちょっぴりエキゾチックで後味がすっきり爽やかなクラフトコーラを、ごくごく飲んでしまう癖が付いてしまいそうです。
次回はどんな人からのメッセージがあなたのもとに届くのか、お楽しみに!
★最新号はリーフレットとして、商品をご購入の方に同梱させていただいております。商品は以下のボタンよりご覧ください。
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。