思いがこもった野菜でフルコースを!とことん味わいつくす。だから私はオーガニックを選ぶ
食品を中心にオーガニックを選んでいますが、中でも野菜には特別な思いがあります。それは生産者の方の意欲がストレートに感じられるから。今回は、私とオーガニック野菜の関わりを中心にお話したいと思います。
「オーガニック=なんとなく良さそう?」がスタートだった
私が最初に「オーガニック」という言葉を知ったのは、旅行で訪れたフランスのスーパー。ABマーク(AGRICULTURE BIOLOGIQUE)*1のついている商品をみて、興味を持ったのがはじまりです。農業大国でもあるフランスにて特に厳しい基準をクリアしたもので「なんとなく身体に良さそうじゃない?」と、日本へのお土産でもABマークのついたものを選んでいました。
そのうち日本でも「有機栽培」「オーガニック」という表示をよく目にするようになり、日常の農産物もその表示を気にしながら選ぶようになったのです。
当時は「からだに良くて、環境にも配慮する栽培法みたいなのに、どうして有機栽培って広まらないのかな」と簡単に考えていたんですね。
農家取材や家庭菜園で知ったオーガニック野菜栽培の大変さ
私は、食関連を専門としたライターなので、取材で生産現場を訪ねることもあります。そのような中で有機栽培に取り組む農家さんを取材する機会があり、そこではじめて、野菜づくりの前に土づくりが必要で、それがとても大変ということ。また、有機JAS認証を取得するためには厳しい基準をクリアしないといけないことなどを知ったのです。
また、自身が家庭菜園をはじめてみて、オーガニックで野菜栽培をすることの苦労も実感しました。ごくごく小規模の栽培でも、雑草、害虫、病気…さまざまなトラブルが頻発! 農薬や化学肥料を使わず「売れる野菜」を作る方たちはどれほど頑張らないといけないのかと気が遠くなりそうでした。
そして今、なぜ私はオーガニックを選ぶのか?
「オーガニック=有機」そして人間も有機物サイクルのひとつです。だから人間が、オーガニック野菜を選ぶのは自然なことだとも思うのです。
そして、栽培の苦労を少しだけでもわかったことで、きゅうり1本、ナス1個にも、「これって作るのすごく大変だったろうなぁ」と、生産者の方の努力と意欲に思いをはせたりすることが増えました。
つまり、私にとっては、食材とともに作り手の思いも受け取れるのが、オーガニック野菜だったのです。
たとえ作った方の顔は知らなくても、その思いはわかる。「オーガニック」とは、そんな野菜を選ぶためのキーワードだとも思っています。
ただ、よく言われる「オーガニックはおいしい」「オーガニックは見た目が悪いけど、安心、安全なので選ぶ」というのは必ずしも正しくないと思っています。オーガニックでもおいしくない野菜はあるし、オーガニックだから見た目が悪くてもいいとも思いません。農家の方は、オーガニックでおいしくて見栄えもする野菜を育てる努力をしているのではないでしょうか。
とれたての有機栽培のきゅうり。へたにもしっかりトゲトゲがある
オーガニック野菜だからこそ、とことん使いこなしたい
最近は、オーガニック野菜を定期的に送ってもらってもいます。農家ではなく、家庭菜園の延長で栽培している方の野菜なので、大きな傷があったり、形がいびつだったりする野菜も多く、サイズもまちまち。それに時期によっては同じ野菜が大量にやってきます。大袋にいっぱいのオクラや、里芋ばかり詰められた大きな段ボールに、大根6本など(笑)
でも、作り手の思いを受け止めて、とことん使いこなすのがとにかく楽しい。どの野菜も猛々しいほど新鮮なので、作り手と真っ向勝負したくなるんですね。
旬の時期には同じ野菜が大量に届くのも使いこなし意欲を刺激する
例えば上の写真は、晩夏のある日に届いた野菜の一部です。できるだけ新鮮なうちにいろいろ食べたいので、この日は野菜のフルコースを作ってみました。
もちろん、定番の煮物や焼きもの、おひたしなんかも作りますよ。
私は、料理好き&食い意地がはってるので、野菜が大量に届くと、今回はどんな風に味わおう?新鮮なうちにおいしく食べ切るぜ!!と俄然ファイトがわきます。
届いたオーガニック野菜でフルコース!キュウリのヨーグルトスープ/かぼちゃのテリーヌ/ナスとオクラのステーキ/里芋のセミフレッド
おいしく味わうことで地球の未来にもちょっぴり貢献したい
私がオーガニックを選ぶのは、もちろん家族のために安心・安全な食材をという意味もあります。でももっと壮大なビジョン(?)もあるのです。
環境と直結しているオーガニック農法は地球を守るためにも役立ちますよね。つまり私がおいしくたくさん食べることで、未来の人類のために豊かな地球を残す一助になる。これってすごくないですか?
私自身は自他共に認める「エコでない」人間ですが、食いしん坊ならではの環境保全へのちょっぴり貢献としてもオーガニック野菜を選んでいます。
ライター:松本葉子
- この記事の情報は掲載開始日時点のものとなります。
- 農作物は、季節や天候などにより状況が変わります。
- 掲載内容は予告なく変更されることがありますのでご了承ください。